日本の伝統文化を改めて…

2021年01月15日 00:47


皆さん、こんばんは!
いかがお過ごしでしょうか?

今年は年明けから和紙や水引結びを
していたせいか、改めてその歴史に
ふと触れたくなりました。


ラッピング教室でギフトマナーについて
お話しすることはあっても、包みや結びに
関する歴史などを話す機会はほとんど
ありません。
せいぜい、ギフト用品協会で開催する
ラッピング技能者資格認定講習会で
お話しするくらいですが、本当ならもっと
こういうチャンスがあったらいいな!と
思います。

包みは「折形…和紙」や「風呂敷包み…布帛」
などに代表され、最近は包み方の講習会も
結構リクエストが増えてきました。

特に風呂敷はエコバッグになり、今やとても
便利なアイテムになりましたよね!
このホームページでも包みの由来や、
風呂敷包みのページがございますので
ぜひご覧くださいね。



さて「結び」についてですが少し長く
なりますが、お話ししてみたいと思います。

皆さんに質問です
「結ぶ」という行為はいったい
いつ頃から行われていたと思いますか?


結びは人間がこの世に誕生した時から
生活の上で必要があって行われてきたことと
言われています。

生活するための機械などまだなかった原始時代
でも木の皮や草を手で寄り合わせて縄や紐を
作り、ものを束ねたり、また様々な生活の道具を
作ったり工夫を重ねていました。

結びはほかに、数を数えたり、目印や合図に
したり、物の所有をはっきりさせたりすること
にも使われ、文字や言葉の役目をはたして
いました。

言われて見れば、今だって納得ですよね!
確かにそんな使い方、してますものね。


古代人にとって「結び」は、火の発見と共に
とても貴重なもので、有難いものでもあり、
我々の祖先は縄や結びに対して感謝の祈りを
捧げていました。
その気持ちが高じて信仰となり結び目に
神の御心が宿ると信じ、結びを尊び心を
託したのです。
注連飾り、おみくじとか…確かに!


もともとは生活上、実用から発生した結び
ですが、日本の歴史とともに人の生活形態が
変わり、文化的に向上することによって
次第に装飾的な結びが生まれてきました。


例えば…
仏教の伝来とともに、中国から複雑な結びも
伝わりました。

平安時代には美しい花結びが考案され、
貴族の衣装や調度品を華やかに飾りました。

また、鎌倉時代になり武士の勢力が強くなると
武具や装束を飾り、装飾的効果も十分考慮し、
心理的作用までも計算に入れた武士の見事な知恵
として推すことが出来ます。

室町時代には、歴代の将軍が文化的な事柄に
強い関心を示したことで、能、狂言、香道
華道、茶道といった芸能が流行し、結びが
活用されました。

私が良く聞く話しでは、戦国乱世の時代には
時の権力者を暗殺するため、食べ物や飲み物に
毒を盛ることが良くあったそうで、その
災いから主君を守るため、茶入れを袋に
入れて、封印結びをした…という話しです。
茶道の茶入れに見られる様々な結びは
実はこのような背景があったのですね。

その後、江戸時代、明治時代とやはり
生活様式の変化と共に多種多様な結びが
工夫され書物もたくさん出版されました。


いつの時代にも見られるように、時と共に
伝統や歴史は忘れられ、また使われる
こともなくなるのは世の常です。

しかし、何かの折りにふと見かけたもの
気にかけたものが、しっかりとその役割を
果たし厳然と今の世の中に存在している
現実に気づいた時、改めてその歴史を
振り返り新たな感動を覚えるのです。


このコロナ禍の影響でステイホームが
長くなったのも、こうして落ち着いて
書物に親しみ、水引やひもを手にとる時間が
出来た、不思議な縁を感じます…



今年はこうして無くなりはじめた素晴らしい、
日本の伝統文化にもう一度目を向け、
少しでも真っ向から向かい合ってみようかと!
そんなふうに思っています………♡





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